Frankie Manning  -ambassador of Lindy Hop

5月26日はリンディホップの天才的ダンサー、振付師、
インストラクターだったフランキー・マニングの誕生日。
ということで、フランキーが亡くなった時(2009年4月)
に書いた記事を改めて掲載します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(この記事は、2009年4月29日に書いたものです)
4月27日、フランキー・マニングが亡くなりました。94歳でした。

偉大なダンサーであり、スウィングエイジの生き証人だったフランキー。2007年に出版された自伝のタイトルにもある「Ambassador of Lindy Hop」という名の通り、その人生を通じてリンディホップを世界中に広めました。フランキーは生まれたばかりのリンディホップを新たなレベルへと導いた第一人者であり、私達がいま踊っているステップやルーティンの中にもフランキーが作ったものがたくさんあります。そしてその晩年、ダンスシーンへと本格的にカムバックしてからはより一層、精力的にリンディホップの素晴らしさを伝えてきました。

フランキーは、リンディホップやスウィングを愛する人達にとって、ほとんど奇跡ともいえる存在であり、そしてかけがえのない人物でした。

Now, Chick Webb always played for the dancers. There was this wonderful communication between his band and the Lindy hoppers. If it wasn’t crowded and we were able to dance in front of the bandstand, he would often focus on somebody doing a certain step, and he’d catch it. We’d try to do things to trick him, and he’d play back at us:”You ain’t going to trick me, man. No, I got you.” Same with his wonderful trumpet player, Taft Jordan. He’d play a solo to the way we were dancing, and we’d respond by doing little rhythmic steps with the music.-Frankie Manning

チック・ウェッブはいつもダンサーのために演奏していた。彼らとリンディホッパーの間には信頼関係があった。フロアがそれほど混んでいなくてバンドの目の前で踊れる時なんかは、チックはよく誰かのステップに合わせて演奏していた。僕らはチックをひっかけようとしたけど、「そうはいくか」とばかりの演奏が返ってくる。彼のバンドの素晴らしいトランペット奏者、タフト・ジョーダンもそうだった。彼はダンサーが踊ってるのに合わせて、ソロを取るんだ。僕らはそのリズムに合わせてステップで応えたよ。-フランキー・マニング

ほんのつい最近まで世界中を飛び回り、レッスンやパーティや講演に参加していたフランキー。時にはカウント・ベイシーやデューク・エリントンやキャブ・キャロウェイなど淙々たるミュージシャン達との思い出を語り、音楽とダンスが、切っても切り離せない関係にあることを教えてくれました。
スウィングジャズとリンディホップの関係は、どちらが一方に従属するということではなく、ともにあり、ともに発展したということ。ダンスは音楽から生まれ、また音楽もダンスから生まれる。そんな理想的な状況が、1930年代のハーレムには本当にあった。それをフランキーは教えてくれました。フランキーが残してくれた素晴らしい遺産、リンディホップというダンスの可能性をいま改めて感じ、私達はその火が絶えないように、続けていきたい。そう思います。

そして偉業の数々もさることながら、フランキーといえば…あの笑顔。冗談好きで、楽しくて、いつも周りの人を気遣っていた温かい人柄。

「ダンスを愛するように、仲間を大切にするんだよ。スウィングを通じて、人の輪を広げるんだ」

人種差別の厳しかった時代から、その言葉を実践してきたフランキー。彼がいつもシーンの中心にいて、人を魅了し続けた理由は、そんなところにあるのかもしれません。

When I die, if I go to heaven, I want it to be just like the Savoy.
-Frankie Manning
死んでもし天国に行くなら、サヴォイのような場所だといいんだけれど。

本当にそうだといいね、フランキー。
Rest in Peace, and Swing Hard!!!


若い頃の映像もすごいですが、晩年もすごい。聞くところによると、80歳頃までエアステップをやっていたとか。やはり超人です。ちなみにここでもチック・ウェッブとカウント・ベイシーのバンド対決について語っています。

Frankie Manning
26th May 1914 -27th April 2009

Lindy Hop great Frankie Manning dies at 94(New York Daily News)

Frankie Manning dies at 94; helped popularize the Lindy Hop(Los Angeles Times)

Tony-Winning Choreographer Frankie Manning Dies at 94(Broadway.com)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です