Swing 映像集

“スウィング” を言葉で表現するのは難しいですが、百聞は一見にしかず。スウィングの時代に作られた映画やサウンディーズ(当時のPVのようなもの)からは、当時の時代の雰囲気やテンポが伝わってきます。

ということで、私のおすすめ映像をいくつかご紹介します。サヴォイ・ボールルームで結成されたダンスチーム Whitey’s Lindy Hoppers によるパフォーマンスが見られる映像など、ダンスと演奏の競演が楽しめる作品を中心にピックアップ。記録映画の『The Spirit Moves』には、わずかながらサヴォイ・ボールルームも登場します。

いまどきは Youtube で見られる映像も多いですが、『The Spirit Moves』などレアものは、http://www.savoystyle.com/で購入可能。こちらのHPではスウィング・ダンスやリンディホップ関連の映像について、さらにたくさん紹介、解説しています。レッスンビデオなどもあるので、興味のある方はぜひ。また dancehistory.org でも、レアな映像がたくさん見られます。

Movies 

『A Day at the Race』(邦題:マルクス一番乗り)1937年

日本でも知られるマルクスブラザースの主演映画で、Whitey’s Lindy Hoppersが登場した初めてのハリウッド・メジャー映画。最後のリンディホップのシーンもさることながら、その前後に子供が大群で Truckin’ や Squad Charleston をしているシーン、激しい演奏とダンスで小屋が揺さぶられているシーン、Duke Ellington 楽団でも活躍していた Ivie Anderson の歌など他にも見どころたくさん。

『Keep Punchin’』 1939年

カップルではなく、集団で円をつくって踊る Big Apple は、リンディホップと同じく1930年代にダンスフロアで大流行していたダンス。いまのダンスフロアでもよく踊られています。この映画では Whitey’s Lindy Hoppers がコンテストに出るという設定で、Frankie Manning が振り付けた Big Apple を披露しています。他にリンディホップのコンテストシーンもあります。

『Hellzapoppin’』 1941年

Whitey’s Lindy Hoppers (クレジットは Harlem Congaroo Dancers)によるリンディホップの金字塔ともいえるパフォーマンス。リバイバルブームの火付け役となり、現代のダンサーがいまだにコピーを続ける王道ルーティンは、Frankie Manning による振付。最後のカップルで登場する、オーバーオールを着ているのがフランキーです。Slim & Slam や Rex Stuart などミュージシャンの演奏も必見。このシーンの後 Dean Collins もちょっとだけ登場。

『Stormy Weather』 1943年

第二次大戦中、黒人兵士の慰問のために製作された娯楽映画。出演者は黒人オンリーで、Bill Robinson のタップをはじめ、Lena Horne とのCake Walk、Fats Waller の演奏、Cab Calloway のステージ、Nicholas Brothers による壮絶タップと黒人エンターテイナーの魅力満載。Cab Calloway のステージラストでは、演奏に合わせてお客がスウィング・ダンスを踊るシーンも。

『Cabin in the Sky』 1943年
こちらも黒人オンリーの映画。Ethel Waters 主演で、もともとはブロードウェイ・ミュージカル。Lena Horne が悪女役で登場します。最後のナイトクラブのシーンでは Duke Ellington が演奏、タップダンサー John Bubbles の素晴らしいパフォーマンスも。John Bubbles と Ethel Waters のダンスは圧巻!

『Killer Diller』 1948年
黒人オンリーのミュージカル&バラエティショー。Nat King Cole trio をはじめ、当時の人気エンターテイナーが次々に登場。フランキー率いる Congeroo Dancers がリンディホップを披露。伴奏の Andy Kirk の演奏が速すぎて困ったとか。

『The Spirit Moves』 1950年
アメリカの黒人によるダンス(African-American Vernacular Dance)の歴史をまとめた記録映画。Cake Walk や Charleston などリンディ以前のダンスから、Calypso など戦後に流行したダンスまで網羅。 Frankie Manning、Leon James、Al Minns、Pepsi Bethel などサヴォイのトップダンサー達やタップの James Berry (Berry Brothers の一人)など当時の花形ダンサーが勢ぞろい。

Soundies 

Duke Ellington “Hot Chocolate” 1941年
デューク・エリントン”Cotton Tail”のサウンディーズで、Hellzapoppin’ とほぼ同じルーティンを披露。退場時の Horse など、Hellzapoppin’ とは異なる見どころもあるものの、映像に後から音楽をつけているそうで、もうひとつ音に合っていないのが残念。

Cootie Williams
50年代も活躍していた Whitey’s Lindy Hoppers のメンバー Leon James が登場。 Frankie Manning が作った初めてのアンサンブル・ルーティン、Stops の一部が見られます。

Count Basie ”Air Mail Special” 1941年
ベイシー楽団の演奏でダンスマラソンをしているという設定。主役?の Jimmie Rushing はともかく、まわりで踊っているリンディホッパーが素敵。

Cab Calloway “Jitterbug Party” 1944年
ハーレムのコットンクラブでラジオ放送のための演奏を行うシーンから、レントパーティへ。ミュージシャンも踊ってます。街の風景、ファッションなど当時の雰囲気がわかる一遍。

“Jammin’ the Blues” 1944年
Lester Young はじめ、Joe Jones や Illinois Jacquet らビッグネームによるジャムセッション。ファッションもカッコいい!時代は既にビバップです。リンディを踊っている Marie Bryant と Archie Savage は当時活躍していたプロのパフォーマー。

Carling Family Band with Lindy Hoppers 2006年

スウェーデンの家族(!)バンド、Carling Family Bandのプロモーションビデオ。スウェーデンのダンスチーム、Harlem Hot Shots のメンバーを中心にリンディホップやシムシャムを踊っています。

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