King of Swing は誰?

 わが家には highlights of the jazz story というポスターがあって、アメリカのジャズ・ミュージシャン達がジャズの大きな木の中に年代、スタイル別に並べられています。
 中心の太い幹には Jazz & Blues 〜 Swing 〜 Be-bop など、ジャズのメインストリームとその中心となる人物が配置され、Dixieland や Boogie Woogie、Funk なんていうのは早いうちに幹から離れて独自の葉(派?)を繁らせています。もちろん音楽の歴史を一つにまとめるなんてやっぱり無理はあるんですが、ミュージシャンの年代とか、だいたいの位置づけの参考になるのでなかなか面白いです。

 そしてそれによると、やっぱり Benny Goodman は「King of Swing」と書いてあるんですね。ちなみにサッチモが「King of Jazz」、 W.C.Handy が「Father of the Blues」、 Cab Calloway が「Mr. Hi-de-ho」、Jelly Roll Morton がウソつき…というのはウソです。

 アメリカはもちろん世界でも King Of Swing といえば、Benny Goodman。でもスウィングジャズが花開いたハーレムでの「King Of Swing」は、ちょっと違ったようです。
 当時のダンサーによる本や、アメリカのジャズとダンスの歴史をまとめた “Jazz Dance” という本によると、サヴォイボールルームのハウスバンドの中でも圧倒的な人気を誇っていたのが、Chick Webb。サヴォイの看板イベントだったバトルでも負け知らずで、1937年には Benny Goodman とも対戦しています。そして当時の音楽雑誌によると Chic Webb に軍配が上がったよう。

 そして、その Chick Webb を圧倒したのが Count Basie 。 Basie 楽団のオールリズムセクションはスウィングの代名詞であり、「Basieが、どのバンドよりも、一番スウィングしていた」とは、数々のビッグバンドと競演したプロのリンディホッパー、Frankie Manning の言葉。

 ちなみに Benny Goodman がハーレムのダンサー達の好みじゃなかったかというと、そんなことは決してありません。サヴォイボールルームのバトルでは王者 Chick Webb を相手に素晴らしい演奏を披露し、「白人にスウィングができるのか?」と訝っていたスウィングダンサー達を魅了し、熱狂的に迎え入れられたそうです。

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