ドビュッシーの曲「 GOLLIWOG’S CAKEWALK 」の Cakewalk とは、ダンスの名前(ちなみに GOLLIWOG はもともと黒人をモチーフにしたキャラクターの名前ですが、差別用語でもあります)。ケークウォークはラグタイムの時代に流行したダンスで、もともとは1850年頃、プランテーションで働く黒人奴隷達が、白人の上流社会の振る舞いを真似たのが始まりと言われています。例えば大げさに胸を反らせて歩き、うやうやしく蝶ネクタイをしめてみたり。腕や足の埃をもったいぶって払ったり、足をピンとまっすぐに伸ばして軍隊のように歩いたり…。主に狩猟に出かける主人の姿を真似しているとも言われます。そうしてふざけて真似をしていたところ、それを見た白人の主人達が面白がってコンテストを開き、奴隷達に競わせることになったとか。コンテストの優勝者には賞品としてケーキが与えられたことからその名が付いたと言われています。
南北戦争後、ミンストレルショーなどに取り入れられた他、ラグタイムに合うダンスとして人気が高まり、盛んに踊られていたようです。
黒人達が白人の姿をふざけて真似しているうちにダンスのスタイルになった…というケースは他にもあったよう。ケークウォークは、アメリカで発展した黒人由来のダンスのうち、白人社会と初めて接点を持ったダンスだと言われています。
映画「Stormy Weather」には Lena Horne と Bill Robinson によるケークウォークのシーンがあります。また記録映画 「Spirit Moves」では Leon James、Al Minns、Pepsi Bethel といったサヴォイボールルームのトップダンサー達がケークウォークを披露。リンディホップのWSで教えられることもあり、今も踊られています。