SWING TALK-スウィング用語

 主にスウィングの時代に使われていた音楽やダンスにまつわる用語をピックアップしてみました。曲名やアルバムタイトル、歌詞、また当時の文献などの中で見かける独特の言い回しについて、わかる範囲で解説してみます。

JASS JAZZ
ニューオリンズの売春宿で客寄せのために演奏されたのがジャズの始まりといわれ、もともとはセックスを指す隠語だった。当時は「ジャズ」という言葉には卑猥な響きがあり、1930年代に入って、当時のジャズは「スウィング」という言葉で表現されるようになる。

SWING
ジャズという言葉がもともと卑猥な隠語であったことから、当時はジャズの代名詞として使われていた。スウィングの名が付いて、ジャズが一般に受け入れられ国民的音楽になったという説もある。「スウィング」は白人の演奏するジャズ、「ホットジャズ」が黒人の演奏するジャズという認識も。

JITTERBUG
スウィング音楽に合わせて踊るダンス、または踊る人々。もともと「LINDY HOP」の名で知られていたが、リンディホップの名前の由来であるリンドバーグの名声に翳りが見えたため、ジターバグの名に取って代わったという説も。

JIVE
今ではジターバグから派生したダンススタイルや、キャブ・キャロウェイやスリム・ゲイラードなど、笑いやエンターテイメントの要素を取り入れた音楽のことなどを指すが、もともとは初期のジャズやスウィング、それに合わせて踊るダンスのこと。
「JIVE TALK」とはミュージシャンはじめ JIVE 愛好家の間で交わされていた隠語。転じてわけのわからない話。また当時のミュージシャンの間でマリファナが好まれていたという噂もあり、マリファナを指す場合もあるらしい。キャブ・キャロウェイは、「The New Cab Calloway’s Hepsters Dictionary:Language of Jive」を1936年に出版、JIVE文化、そしてJIVE TALKを広めた中心人物。

RUG CUTTER
素晴らしいダンサーのこと、とくにリンディホッパーのことを指す場合も。

KILLER DILLER
とんでもなくカッコいい、素晴らしい、”ず抜けた”事や人のこと。

HEP CAT
Hepはクール、カッコいいの意。スウィングの時代、”わかっている”人や粋な人のことを指した。とくにJIVE TALK というミュージシャンの隠語を理解する人のこと。ジャズミュージシャンや愛好家、遊び人を指す。

CAT’S CORNER
サヴォイボールルームの北東の一角で、2つあるバンドスタンドのうちNo.1バンドの右側にあったスペース。リンディホップは他のボールルームダンスと違い激しくキックしたり場所を取るために、専用のスペースとして確保されたとか。今でいうジャムサークルのような感じで、とくに優れたダンサーや自信のあるダンサーが交代で技を見せつけた。

ICKY
ダサい、わかってないヤツ。馬鹿者。とくに JIVE についてわかっていない奴のこと。

ALLIGATOR
ジターバグのこと。

RENT PARTY(HOUSE RENT PARTY)
1920年代?人口が急激に増え、家賃が高騰したシカゴやNYハーレムの住人が、家賃を工面するために開いたというホームパーティ。通常ピアノ演奏などを入れ、ダンスを楽しんだ。レントパーティの普及で、ブギウギピアノが発展したと言われる。

おまけ
スウィングのミュージシャンはマリファナを好んだと言われ、マリファナを指す隠語も多々。

Cab Callowayのヒット曲「Minnie the Moocher」のMoocherとは、麻薬常習者、ヤク中のこと。同じくCab Callowayの「Reefer Man」とは、ヤクの売人のこと。

Louis Armstrongの「Song of the Vipers」、Willie Bryantの「 A Viper’s moan」などの Viper もマリファナの常用者、また売人を指す。

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