どんな音楽で踊るの?

 リンディにはどんな音楽がいいかと聞かれれば、私はやっぱりスウィングの時代といわれる 1930 〜 40年代前半のジャズをおすすめします。私はとくにハーレムのサヴォイボールルームで踊っていたダンサーのスタイルが好きなので、Chick Webb、Lucky Millinder、Erskine Hawkins などサヴォイ縁のミュージシャンをはじめ、 Jimmie Lunceford、Count Basie など黒人系バンドを好んでかけます。チャールストンならスウィング以前のディキシーランドジャズ、個人的には Magsy Spanier、Eddie Condon などのシカゴ系もいいと思っています。リンディでも西海岸のスタイルなら Benny Goodman や Andrews Sisters など白人系バンド、という風に地域性や黒人/白人系というのをよく意識します。
 またビッグバンドではありませんが、Slim & Slam や The Cats & the Fiddle などのノベルティグループも、リンディやチャールストンのリズムにぴったり合うと思います。

 一般的にスウィングの王道というと Count Basie、Duke Ellington、Benny Goodman 辺りかと思いますが、こういう活動期間の長いビッグネームは年代によって演奏がまったく違うので、踊りたい選曲を狙うのだったら年代を気にします。1930年代~40年代のスウィングの時代に録音されたもの、とくに1937年、39年はアタリ年だと思います。

 レコードレーベルも一つの目安。ブルーバードや Decca、RCA などジャズで有名なレーベルの他、戦時中に作られていた V-disc もなかなかいいです。V-disc とは Victory Disc の略で、戦地の兵士達向けに作られたレコードなので時代的にもぴったり。いい演奏が多いのですが、難点は音質が悪いこと。音質で言えばフランスのレーベル、Classisc は DJ の間でも定評があります。

 スウィングミュージック入門のおすすめは、図書館です。地域によって差はあると思いますが大御所はまず置いてあることが多いです。いまはコンピューターで区内の蔵書を検索することもできるのでとっても便利。東京都内の図書館を一気に検索することもできます。ちなみに文京区と千代田区は古いジャズがかなり充実してます。特定のミュージシャンが思いつかなければ、swing、stomp、big band などのキーワードで検索すると、いろいろ出てきます。

 そうそう、とあるスウィングDJは「Swing」と書いてあるコンピレーションCDには手を出すな、と言っていました。そういうのに限って、ぜんぜんスウィングしてないから、とのこと。確かに私も大ハズレの「Swing」CD を何枚か持っています。でもコンピレーションの CD って、いっぺんに色々なミュージシャンの演奏が聴けるので、私は好きです。まずはコンピレーションでいろいろ聴いてみて、そこからお気に入りのミュージシャンを掘り下げていくというのは一つのテ。私のおすすめは「Anthology of Big Band Swing」。ズレた選曲の「Swing」CD が多い中、これはバンドの選定も、踊れる選曲という意味でもかなりイイ線いってると思います。ちょっとマニアともいえるようなバンドも入っていますが、とっても踊れる CD。ちなみに私の近所の図書館には置いてありました。スウィングの入口としてはかなりおすすめです。

おすすめコンピ CD

「Anthology of Big Band Swing」

「Really Swingin’:Frankie Manning’s Big Band」

「Oscillatin’ Rhythm:Great Swing Hits in Hi-Fi」

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